僕は彼女の名前をまだ知らない
電車を降り、僕達は駅の前で別れた。

「送っていく。」という僕の言葉を、彼女は聞かなかった。

僕の家と反対方面なら、僕の家から遠いだろう。

明日も迎えにくると言った彼女に、うなずいてしまったことを少しだけ後悔した。


ところで...





......彼女の家はどこだ?
......彼女は今、どこで何をしている?
......彼女は何者だ?

彼女に対する疑問が、次々と浮かび上がってきて、僕は慌ててその疑問を打ち消した。
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