僕は彼女の名前をまだ知らない
焼き芋ができるまでの間、僕達はまたオセロをした。

「ねぇ、この家にはゲームとかないの?」

彼女は僕に質問をした。

「せっかくオセロを貸してあげてるのに、失礼な人だなー、君は。」

僕は思ったことを口にした。

「そういうことじゃなくって!
私の質問に答えてよ!」

彼女は冗談半分で言った。
なのに、なぜか僕は彼女に苛立って...

「君だって!
前、僕の質問に答えなかったくせにっ!!」

彼女はひどく驚いたような顔をした。
自分が質問に答えなかったことを思い出せないから。
そして、僕が怒鳴ったから。
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