僕は彼女の名前をまだ知らない
僕はものすごく後悔した。

今までにないほど、
これ以上ないほど、後悔した。



これ以上、彼女に踏み込んではいけないとわかっていた。

これ以上、僕の気持ちを押し付けてはいけないとわかっていた。

理性は、僕を止めていた。



だけど...


愛は、時に凶器になる。

僕はそれを知っていたのに、実感していたのに...


後悔は、僕の胸を蝕み、
僕の心をナイフのように刺していた。


「リーン」という、さつまいもの焼けた音が、やけに遠く、響いていた。



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