僕は彼女の名前をまだ知らない
「リンッ!」と気持ちの良い音がして、僕たちはオーブントースターの方を見る。

「「おーーーー!!」」

僕たちの声が揃うのも当たり前だと思えるほど、餅は綺麗に丸く膨らんでいた。


「大成功!...だね!?」
「うん...そうだね!?」


丸く膨らんだ餅をお皿に乗せると、香ばしい匂いが辺りに立ちこめた。
僕は心の中で、餅に、そのままだと味気ないと言ってしまったことを、謝っていた。
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