もう一度、君の手にくちづけを。
僕は、砂漠を越えた先にある国の王子だ。
砂漠に囲まれているので食料に困ることが多いこの国の市場には、都からよく商人たちが行き来していた。
おかげで辺境の地であるにも関わらず、市場は活気があり、国も栄え、平和を保っていた。
僕を含む王族はお飾りのようなもので、国民は僕らを崇め称えるが、僕らは彼らの思うような尊い存在ではなかった。
しかし彼らの理想通り振る舞うことで国の平和は維持されてきたといっても過言ではないだろう。
「「「 きゃー!!!フラン王子よ! 」」」