3月生まれの恋人〜St. Valentine's Day〜
ロールキャベツにサラダにスープ。
温かい食卓を二人で囲むのも、もう数回目
『デザートはコーヒーとケーキだよ』
テーブルの真ん中で甘苦い香りを放つ、柊の為に準備したケーキを指差した
日本中で、どれだけのカップルが、甘い一時を過ごしているのだろう
ふと、先日会った和真を思い出した
綾香さんと、仲良く過ごせてたらいいなって、そう思った。
『あのね、柊、これ。』
食事が終わり、ケーキを切り分けた後、あたしは準備していた包みを柊へと渡した
『へ?何?』
包みを手にして、きょとんと首を傾げる彼に、開けてみてと伝えてみる
意外に慎重派な柊は、包みを丁寧に開けると中から濃茶の手袋を取り出した。
『編んでみたんだけど、よかったら使ってください。』
『えっ?これって編んだの!?』
すっげーなぁ、を連発しながら
柊は嬉しそうにその手袋に手を入れる。
この間借りたマフラーと同じ色合いの手袋は、柊の柔らかな印象にとてもよく似合っていて
あたしは、柊の前髪にそっと手を伸ばした
温かい食卓を二人で囲むのも、もう数回目
『デザートはコーヒーとケーキだよ』
テーブルの真ん中で甘苦い香りを放つ、柊の為に準備したケーキを指差した
日本中で、どれだけのカップルが、甘い一時を過ごしているのだろう
ふと、先日会った和真を思い出した
綾香さんと、仲良く過ごせてたらいいなって、そう思った。
『あのね、柊、これ。』
食事が終わり、ケーキを切り分けた後、あたしは準備していた包みを柊へと渡した
『へ?何?』
包みを手にして、きょとんと首を傾げる彼に、開けてみてと伝えてみる
意外に慎重派な柊は、包みを丁寧に開けると中から濃茶の手袋を取り出した。
『編んでみたんだけど、よかったら使ってください。』
『えっ?これって編んだの!?』
すっげーなぁ、を連発しながら
柊は嬉しそうにその手袋に手を入れる。
この間借りたマフラーと同じ色合いの手袋は、柊の柔らかな印象にとてもよく似合っていて
あたしは、柊の前髪にそっと手を伸ばした