3月生まれの恋人〜St. Valentine's Day〜
言葉にした瞬間、堪らなくなって
奥にある、彼女の寝室に向かい俺は歩き出す
欲しいと言った言葉の意味にようやく気付いたらしき彼女は
俺の胸に深く顔を埋めると、ぎゅっと身を縮めてしがみついた
“欲しい”
“今すぐ俺だけのゆづにしてしまいたい。”
衝動が、俺を突き動かす
ベッドルームに入ると、侑月はますます体を固くして俺の首に手を回した
『侑月、怖い?』
ベッドに侑月を座らせてから、
俺はそっと、覆い被さるように彼女を押し倒した
しっかりと目を閉じた侑月は、少し震える声で“怖くない”と呟く
絡み合うような深いキスの後、俺は彼女の首筋に顔を埋め、ただひたすらに唇を這わせる
侑月から、甘い吐息が漏れるのを確認してから
そっと、服の裾から手を差し入れた
ビクンと、もう一度、彼女の体が跳ねたのがわかった
『ゆづ・・・』
首もとから頭を起こし、侑月の顔を覗き込んで
『えっ?』