True Heart
そうだ、これは私じゃなくて妹に向けて言った言葉だ。

ゆかりに伝えればいい。

そうすれば、ゆかりも大喜びすることは間違いないだろう。

「わかりました、私でよろしければ」

そう言った私に、
「ありがとう」

二ノ宮さんは目を細めて微笑んだ。

あっ、笑った顔がかわいいな…。

そう思ったら、自分の心臓がまたドキッ…と鳴ったことに気づいた。

一体何なんだろうか、これは。

「それじゃあ、連絡先は…」

二ノ宮さんはそう言ってスーツの胸ポケットから名刺入れを出すと、そこから名刺を1枚差し出した。

「ありがとうございます」

私はお礼を言った。

「連絡はいつでもいいから」

二ノ宮さんはそう言うと、私の前から立ち去ったのだった。
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