True Heart

「わ、わ、わ、わかったわかった！」

今にも私のカバンからスマートフォンを取り出して電話しそうな勢いのゆかりを止めた。

私はカバンからスマートフォンを取り出すと、名刺に書いてある電話番号にかけた。

何でこんな展開になったのよ…。

そう思いながら、相手が出てくるのを待った。

コールが６回目を迎えた時、
「もしもし？」

二ノ宮さんが出てきた。

出た！

「あ、えっと…」

まさか出てくるとは思ってもみなかったので、どうすればいいのかわからなかった。

「誰ですか？」

相手が何も言わないことを不審に思った二ノ宮さんが声をかけてきた。

救いを求めるようにゆかりに視線を向けたら、何か言えと言うようにパクパクと口を動かした。