True Heart
「18時ですね、わかりました」

私は手帳に書き込んだ。

「必ず行くから」

そう言ったその声が熱っぽくように聞こえたのは、私の気のせいだろうか?

「…そんなに急がなくていいですから」

満更でもないと思っている自分を変に思いながら返事をしたら、クスッ…と笑ったのが聞こえた。

えっ、笑われた?

そう思っていたら、
「君がその場にこなかったとしても、俺はその場で待ち続けるから」

二ノ宮さんにそんなことを言われてしまった。

えっ、ええっ!?

何かものすごいことを言われたような気がするのですが…。

「えっと…失礼しました」

「待ってるから」

聞き返すのもあれなので話を切りあげた。

電話が切れたのを確認すると、スマートフォンを耳から離した。
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