しあわせ食堂の異世界ご飯3

 さて、気合を入れないと。
 そう思って料理に取りかかろうとしていると――アリアの下へエマとカミルがやってきた。
 ふたりとも、ローズマリーの訪問に戸惑っているのが容易に想像できる。
「アリアちゃん、あの人は……この前も来てくれた子みたいだけど、大丈夫なのかい?」
「確かちょっとした知り合いってこの前は言ってたけど、お貴族様だろ?」
 下手に接するよりも、アリアに任せた方がいいと考えてエマとカミルも一緒に厨房へ来てくれたようだ。
「ありがとうございます、ふたりとも。食事に来てくれただけですから、そんなに警戒しなくて大丈夫ですよ」
「そうかい……? なら、お願いするよ」
「はい」
 ただ、何かあるといけないので対応は自分で行うことをアリアが告げる。すぐにエマとカミルが納得ししてくれたため、これ以上騒ぎが大きくなることはないだろう。

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