しあわせ食堂の異世界ご飯３
リントが小さな鍋を購入して、アリアたちの下へ戻ってきた。
「ここだと人通りが多いから、少し移動しよう。あそこの木の下なら、ベンチもあるしちょうどいい」
　全員で移動すると、その視線はリントとその手に持った小さな鍋に集中する。
　しかしリントは何食わぬ顔で、その鍋に向かって風魔法を使った。
「風は結構万能なんだ。細い刃になり貫け、ウィンド」
　リントがそう告げると魔法が発動し、鍋の下部に小さな穴が数カ所できた。まるでキリで空けたように細い穴で、文句なしにばっちりだ。
　アリアは確認しながら、「すごいです！」と賞賛を送る。
「これなら、すぐにでもお菓子が作れますよ。リントさん、やり方を説明するのでお願いしてもいいですか？」
「ああ、もちろんだ」
　これからの手順をアリアがリントに説明するけれど、シャルルたちでは聞いてもいまいちよくわからない。
　何をすればいいということはわかるけれど、どうしてそうすることで料理ができあがるのかはわからなかった。
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