しあわせ食堂の異世界ご飯3
不安そうなシャルルとカミルの顔を見て、アリアはくすりと笑う。
「今から作るから見ててね!」
「砂糖だけでお菓子ができるなんて信じられませんが……アリアのことだからきっとものすんごいものができるんですよね。私、楽しみです! リズちゃんも期待していいよ、食べたら涙なんてあっという間に乾いて笑顔になっちゃうんだから」
「う、うん……!」
 シャルルの勢いに押されながらも、リズが何度も頷く。
 リズは不安そうな顔をしてはいるけれど、涙は乾いたようだ。大きな目でリントが手に持つ小さな鍋を見ている。
 アリアはそこに先ほど購入したザラメを入れて、少し離れた位置に立つ。そしてその手には、近くのお店で買った串が握られている。
 これで準備はばっちりだ。
「魔法みたいだから、一瞬も見逃しちゃ駄目だよ」
「もちろんです!」
 実際に魔法を使うのでみたいもなにもないけれど、きっとその瞬間を見たら誰もが驚くだろう。
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