しあわせ食堂の異世界ご飯３
とはいえ、仕事だからこればかりは我儘を言うわけにはいかない。
　しょげつつも、シャルルたちも仕方がないとリントとローレンツを見る。
「お仕事では仕方がないですから。お気をつけてください」
「いつも忙しそうだもんな」
　シャルルとカミルがそう言うと、リントが「すまないな」と告げる。
「また次の機会に、このわたあめを食べよう」
「そのときはよろしくお願いしますね」
「はい！」
　リントとローレンツの言葉を聞いて、シャルルが笑顔で頷く。そして早く次がくればいいのになと思う。
　その様子を見て、アリアはくすりと笑う。食べさせられてあげられなかったのは申し訳ないが、自分の料理を楽しみにしてもらえることはとても嬉しい。
「それじゃあおふたりとも、お仕事頑張ってくださいね」
「ああ」
「リズちゃんをお任せすることになってすみませんが、よろしくお願いします」
「いえいえ。見つけたのは私ですから、お任せください」
　アリアが声をかけるとリントが頷く。ローレンツはリズのことで、少し申し訳なさそうだ。
「リズちゃん。お兄ちゃんたちはもう行くから、一緒にバイバイしようか」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん」
　リズはアリアの言葉に頷いて、笑顔で手を振る。それに応えたリントとローレンツも手を振ってから、その場を後にした。
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