しあわせ食堂の異世界ご飯3
「しあわせ食堂のメニューにはならないの?」
 どうやらアリアのことを知っている人がいたようで、ここで食べられないのであればぜひお店で! と熱望される。
 確かにお店で出せたら子供や女性に間違いなく大人気だろう。
「ごめんなさい、さすがにいろいろ道具が必要だからすぐに……って言うのは難しいんです。でも、今後機会があったらそのときはよろしくお願いしますね」
 アリアとて喜んでもらえるのであればお店で出したいのだ。
(もしかして売り上げを使えば設備も整えられるかも?)
 なんて思ってしまうが、それならばまずは外観の修繕などしたいことはたくさんある。ひとまずわたあめは、幻のメニューになりそうだ。
「なんだ、この人だかりは……リズ!」
「パパ!」
 アリアたちが話をしていると、ひとりの男性が姿を見せた。
 それと同時に、リズが嬉しそうにカミルの腕を抜け出して男性に飛びついた。この人だかりに気づき、様子を見にきたようだ。
 リズを元気にするために作ったわたあめだったけれど、結果として父親も見つけ出せたのでパーフェクトだ。
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