しあわせ食堂の異世界ご飯3
2 梅干を添えた贅沢しらす丼
余計な物音はひとつなく、静かな室内に響くのはペンを走らせる音だけ。しかしときおり、そこに小さなため息がまじる。
黒い革張りの椅子へ背を預け、休憩だと告げたのはリント――リベルトだ。
彼が今いるのは、王城にある執務室だ。仕事の忙しい日々が続き、気づけば深夜になっているということも多い。
きゅるると小さくお腹が鳴り、そういえば軽く昼食をとって以降は何も口にしていなかったことを思い出す。
何か食べなければと思うけれど、どうにも億劫で用意する気になれない。
「……アリアの作った『おにぎり』が食べたいな」
おにぎりは、リベルトが初めて食べたアリアの料理だ。
食にあまり関心がなかったので、それを食べるまでこんなに食事で幸せな気持ちになることができるのかと驚いたほどだ。
黒い革張りの椅子へ背を預け、休憩だと告げたのはリント――リベルトだ。
彼が今いるのは、王城にある執務室だ。仕事の忙しい日々が続き、気づけば深夜になっているということも多い。
きゅるると小さくお腹が鳴り、そういえば軽く昼食をとって以降は何も口にしていなかったことを思い出す。
何か食べなければと思うけれど、どうにも億劫で用意する気になれない。
「……アリアの作った『おにぎり』が食べたいな」
おにぎりは、リベルトが初めて食べたアリアの料理だ。
食にあまり関心がなかったので、それを食べるまでこんなに食事で幸せな気持ちになることができるのかと驚いたほどだ。