しあわせ食堂の異世界ご飯3
優秀な側近のおかげか、言ってみただけだというのにトントン拍子で話が進んでしまった。もう明日には港町だ。
 ローレンツは処理の終わった書類を持って、すぐに執務室を出ていってしまった。
 リベルトにはすぐ休むようにいうくせに、ローレンツの方が仕事を抱えていてついついため息が出てしまう。
 そんな側近に、もちろんリベルトは感謝しているのだけれど……。
「早く揺るがない治世を手に入れたいものだな」
 そうすれば、生活は今よりもずっと楽になるだろう。
 加えて危険もなくなるから、アリアと正式に婚約し結婚することもできる。部下を増やせばローレンツの負担も減るだろう。
 そのためにはやるべきことが山積みなのだが、こればかりは仕方がない。そう思い、リベルトは軽食をとった後、再び書類にペンを走らせるのだった。

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