しあわせ食堂の異世界ご飯3
「さっそく本題だが……できそうか?」
「確か、魚の稚魚でしたね。私どもはあえて稚魚を獲る……ということは、したことがないのでございます」
 小さな魚よりも大きな魚の方が腹が膨れるため、それは必然だろう。リベルトも、この点に関して漁師長を責めるつもりはもうとうない。
 そもそも、稚魚を食べるという発想すらしないのが普通だろう。
「今、目の細かい網を急いで用意しているところです。これが完成すれば、稚魚を獲ることもできるようになるでしょう」
「そうか。上手くいったら、国を挙げての事業にしたいと思っている。もちろん、支援に関しても用意はしてある」
「おぉ……!」
 準備は進めているという漁師長に、リベルトは満足そうに頷く。
 そして今後は事業の拡大も行なっていきたいので、しっかりした管理を徹底するよう伝え、なるべく早く成果がほしいとも口にする。
 漁師長にとっては驚く話ばかりで、ただただ皇帝であるリベルトの言葉に頷くばかりだ。
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