しあわせ食堂の異世界ご飯3
綺麗に三つ編みをした蜂蜜色の髪に、ぱっちりした可愛らしい深い緑色の瞳。体格は小柄だけれど、その瞬発力はすさまじい。

 そしてしあわせ食堂のひとり息子、カミル。
 外はねの癖があるオレンジ色の髪に、爽やかな笑顔。父親が亡くなった後、料理が下手な母親を支えてきた孝行息子だ。
 今はアリアに料理を教えてもらい、カレーとハンバーグをひとりで調理できるほどまで腕前が上達している。

 今日はアリア、シャルル、カミルの三人で市場へ買い物に来た。
「でもさ、やっぱり定休日が決まってるっていいな。市場にきてはいるけど、のんびりできるし」
「うん。たまにはリフレッシュしないと疲れちゃうからね」
 カミルの言葉を聞いて、アリアは笑顔で肯定する。
 この世界では、日本のように労働の基準なんてなにもない。そのためお店を休むことも自己判断で、基本的に開店している方が多い。
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