しあわせ食堂の異世界ご飯3
(いつか生卵も料理で出したいなぁ)
 なんて思うくらい、卵かけご飯なども恋しいと思ってしまう。
「っと、いけない。早く料理を進めないと!」
「アリアちゃんを見てると、飽きなくていいねぇ」
「何言ってるんですか、エマさんてば」
 アリアはあははと笑いながら、しらすをカリカリになるまで炒めてじゃこを作る。それに少し塩を振って、ご飯と一緒に握る。
 最後にノリを巻いたら、おにぎりは完成だ。
 そして次に、どんぶりにご飯をよそってその上にたっぷりの釜揚げしらすを乗せる。
 トッピングには、刻んだネギと大葉にノリを添えてできあがりだ。最後に醤油をかけたら、お腹が鳴ってしまいそうになるほどたまらない。
「そういえば、アリアちゃんの好きなあれがあるよ」
「あれ?」
「梅干しだよ。昨日市場へ行ったら、珍しいことに売ってたから買ってみたんだよ」
 すっかり言うのを忘れたと言いながら、エマが小さな壺を取り出してきた。
「うわ、梅干しの匂いがしますね!」
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