しあわせ食堂の異世界ご飯３
まあ、可愛い子が店にいたら雰囲気も和やかになるからいいだろう。
「親方、何を勝手に言ってるんですか！」
　話が聞こえていたアリアは、仁王立ちで親方へ抗議するのだが――
「アリアお姉さま、わたしが弟子になるのは駄目ですか？」
　そう言って、リズがアリアのことを上目遣いで見つめてきた。さすがのアリアもその可愛さとおねだりにたじろいでしまう。
「えぇっ……いや、駄目というわけじゃないけど……」
　だからといっていきなり弟子に、というのは話が飛びすぎているのではないだろうか？　それに、リズはまだ六歳という幼さだ。
　もし本当に料理を教えるのであれば、今リズがしている簡単なお手伝いとはわけが違う。包丁や火を使うという危険も伴うのに、アリアが勝手をするわけにもいかない。
　アリアが難色を示すと、リズは一瞬で表情を歪ませる。
「やっぱり、わたしじゃお姉さまには相応しくないですか？　頼りないですか？」
「いいじゃねえか、弟子のひとりやふたり。成長すれば、店の戦力になるだろ」
「ふたりとも……そんなの、私の一存でなんて決められませんよ！　リズちゃんの件は、ライナスさんにも話して許可をもらわないといけないから一旦保留ね」
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