剣に願いを、掌に口づけを―最高位の上官による揺るぎない恋着―
先日、訪れたドリスの家で今日も前回と同じ使用人に迎えられた。セシリアが名前を告げると、ややあって奥からドリスが駆け寄って来た。
「こんにちは」
セシリアがまず挨拶をしたが、ドリスはセシリアを一瞥するとすぐに隣の男に視線を移した。それを受けてルディガーが微笑む。
「初めまして。ルディガー・エルンストです。シリーから話は聞いているよ。エルザの調子はどうだい?」
「嘘……」
ドリスは信じられないという面持ちでルディガーをまじまじと見つめ、すぐに使用人にエルザに伝えるよう声をかけた。そして再びドリスの意識がセシリアに向く。
「セシリア、ありがとう! 本当に、なんてお礼を言っていいのか」
抱きつきそうな勢いでセシリアとの距離を縮めると、ドリスはセシリアの手を取り感謝の意を述べた。涙ぐみそうなドリスに、彼女が本当にエルザを想っているのがわかる。
「ルディガー?」
この前と同じ、階段の上の方からか細い声が降り、その場にいる全員の注目が集まった。今日のエルザは淡いワンピースタイプのゆったりとしたクリーム色の部屋着にカーディガンを羽織っている。
「久しぶり、突然悪いね。体調を崩しているんだって? 大丈夫かい?」
ルディガーが下から心配そうに声をかけると、エルザは口元を手で覆い、大きく目を見開いた。
「本当に?」
よれよれと覚束ない足取りながらもエルザは階段を下りてルディガーの元に歩み寄る。ルディガーもエルザに近づいた。
「こんにちは」
セシリアがまず挨拶をしたが、ドリスはセシリアを一瞥するとすぐに隣の男に視線を移した。それを受けてルディガーが微笑む。
「初めまして。ルディガー・エルンストです。シリーから話は聞いているよ。エルザの調子はどうだい?」
「嘘……」
ドリスは信じられないという面持ちでルディガーをまじまじと見つめ、すぐに使用人にエルザに伝えるよう声をかけた。そして再びドリスの意識がセシリアに向く。
「セシリア、ありがとう! 本当に、なんてお礼を言っていいのか」
抱きつきそうな勢いでセシリアとの距離を縮めると、ドリスはセシリアの手を取り感謝の意を述べた。涙ぐみそうなドリスに、彼女が本当にエルザを想っているのがわかる。
「ルディガー?」
この前と同じ、階段の上の方からか細い声が降り、その場にいる全員の注目が集まった。今日のエルザは淡いワンピースタイプのゆったりとしたクリーム色の部屋着にカーディガンを羽織っている。
「久しぶり、突然悪いね。体調を崩しているんだって? 大丈夫かい?」
ルディガーが下から心配そうに声をかけると、エルザは口元を手で覆い、大きく目を見開いた。
「本当に?」
よれよれと覚束ない足取りながらもエルザは階段を下りてルディガーの元に歩み寄る。ルディガーもエルザに近づいた。