赤髪とホットミルクと。
その日は本当にたっぷりとアンさんの情報をいただいた。
名前は工藤安(くどうあん)、割と知名度のある文系の大学の大学院生で24歳。
運動も勉強もできて、ベースを弾くのが上手らしい。
「これでもバンドやってんのよ俺ら」
「だから髪色、、、」
安さんが赤なのもお兄さんが明るい茶色なのもなんとなくそれで理解出来る。
「ちなみに俺の名前はタイヨウ!阿笠太陽(あがさたいよう)よろしく!」
なんというか、、名前ピッタリすぎるねお兄さん
「私は、木野彩日です。16歳です、よろ…」
「おおお!彩日ちゃん!よろしくよろしく!!」
よろしくお願いしますくらい言わせてくれても良くない??
でもなんだか嬉しかった。新しく友達が出来たみたい。
ちなみに安さんのオンナ情報はたーくん(太陽さんに強制された)でもよく分からないらしい。
「安はチャラく見えがちだけど女の子に興味ないんだよな〜」
「でもだからこそ怪しいだろ?本命がいるから作んないのかなって」
「………たしかに、」
「まあ大丈夫、あいつベース一筋だから」
ベースの新調のためにここのバイトを毎日入れてるらしく
なんだか可愛らしくも思えてきた。
「ごちそうさまでした〜また来ます」
今日は明るいうちに帰れるなと時間をスマホで確認すると、またイラつかせられる通知が目に入った。
衆太:なんで避けんの?
衆太:さっさと帰ったよね
衆太:俺何かした?
「…はぁ…。」
「どうかした?」
たーくんが心配そうにカウンターから出てきたから
慌てて「なんでもないよ」と無理矢理笑った。
「そう、、また来てね?」
たーくんの言葉に小さく頷いて店を出た。
衆太は多分優し過ぎるんだと思う。
私をほったらかして彼女優先に出来ないんだ。
だから尚更どうやって諦めたらいいのか分からないし
安さんをすぐに好きになるってのも良くないような気がして
ごちゃごちゃの感情がどんどん渦を巻き
堪えていた涙がポツリと地面に零れた。
「っ……彩日、ちゃん?」
「え、…………安さん、」
ちょうど雫が落ちたと同時に
息を切らしたように私の前に現れたのは安さんだった。
どうして安さんが…
「なんで泣いて……」
何か言いかけたけどすぐに口を閉じて
自分のスマホをこちらに向けた。
「これ、俺の電話番号」
「何かあったら連絡していいから」
「……なん、で。」
どうしてここまでしてくれるんだろう。
「気になる」
「え?」
少し照れたように着けていたマフラーを口元まで上げて
「君のことが気になる」
真っ直ぐと私の目を見て言葉を発した。
名前は工藤安(くどうあん)、割と知名度のある文系の大学の大学院生で24歳。
運動も勉強もできて、ベースを弾くのが上手らしい。
「これでもバンドやってんのよ俺ら」
「だから髪色、、、」
安さんが赤なのもお兄さんが明るい茶色なのもなんとなくそれで理解出来る。
「ちなみに俺の名前はタイヨウ!阿笠太陽(あがさたいよう)よろしく!」
なんというか、、名前ピッタリすぎるねお兄さん
「私は、木野彩日です。16歳です、よろ…」
「おおお!彩日ちゃん!よろしくよろしく!!」
よろしくお願いしますくらい言わせてくれても良くない??
でもなんだか嬉しかった。新しく友達が出来たみたい。
ちなみに安さんのオンナ情報はたーくん(太陽さんに強制された)でもよく分からないらしい。
「安はチャラく見えがちだけど女の子に興味ないんだよな〜」
「でもだからこそ怪しいだろ?本命がいるから作んないのかなって」
「………たしかに、」
「まあ大丈夫、あいつベース一筋だから」
ベースの新調のためにここのバイトを毎日入れてるらしく
なんだか可愛らしくも思えてきた。
「ごちそうさまでした〜また来ます」
今日は明るいうちに帰れるなと時間をスマホで確認すると、またイラつかせられる通知が目に入った。
衆太:なんで避けんの?
衆太:さっさと帰ったよね
衆太:俺何かした?
「…はぁ…。」
「どうかした?」
たーくんが心配そうにカウンターから出てきたから
慌てて「なんでもないよ」と無理矢理笑った。
「そう、、また来てね?」
たーくんの言葉に小さく頷いて店を出た。
衆太は多分優し過ぎるんだと思う。
私をほったらかして彼女優先に出来ないんだ。
だから尚更どうやって諦めたらいいのか分からないし
安さんをすぐに好きになるってのも良くないような気がして
ごちゃごちゃの感情がどんどん渦を巻き
堪えていた涙がポツリと地面に零れた。
「っ……彩日、ちゃん?」
「え、…………安さん、」
ちょうど雫が落ちたと同時に
息を切らしたように私の前に現れたのは安さんだった。
どうして安さんが…
「なんで泣いて……」
何か言いかけたけどすぐに口を閉じて
自分のスマホをこちらに向けた。
「これ、俺の電話番号」
「何かあったら連絡していいから」
「……なん、で。」
どうしてここまでしてくれるんだろう。
「気になる」
「え?」
少し照れたように着けていたマフラーを口元まで上げて
「君のことが気になる」
真っ直ぐと私の目を見て言葉を発した。