赤髪とホットミルクと。
「衆太!!なんで落書きして返すのよ!!」
「んな怒んなって〜可愛かったろ?俺の絵!」
「なあ、傘持ってきた?」
「私を誰だと思ってるの?持ってきてないに決まってるじゃん」
「はい女子力〜」
それからはクラスも違うのになんでか絡むようになって、教科書貸しあったり、雨の日も晴れの日も曇りの日も一緒に帰ったりして、隣にいるのがいつしか当たり前になった。
「彩日ちゃん、衆太と付き合ってるの?」
「めっちゃお似合いだしいいと思うよ〜〜!」
まあよくこういうことも言われたりして自分でも恋人関係になるのは時間の問題だろうと、そう思っていたのに…
″彼女できたからもう無理″
さすがにこの様はないんじゃないの?
たしかに衆太は私のことを好きなんて言ってきたことは無いけれど、期待させるのにあの距離はあんまりだ。
…………もういい、全部忘れてやる。
そろそろ私だって幸せになりたいんだもん。引きずっていてはいけない。
前を向こうと顔をあげると見知らぬ風景に違う呆れが生じる。
「はぁ、ここどこ…」
そのとき、寒いし、お腹は空いたし、ここがどこなのか全く分からないし、やっぱり彼のことがぐるぐるするしでとにかく暖まりたかった私にぴったりな場所を見つけてしまった。