クリスマスなんてなくなればいいのに。
卒業しなくていいなんて、冗談じゃない。
進路はもう決まってる。あとは卒業を待つだけなんだ、わたしは。
毎日、今日はまだ言わないのかなとそわそわしながら待って。
伝えられるたびに胸が締め付けられて切なくて、逃げる事しかできない、わたるからの告白を、あと何度聞けるだろう。
一日に何度も言わないで、とわたしに呆れられたことを気にしてか、同じ日に複数回の告白を受けることはなくなった。
単純に数えて、休みの日を除いて、仮卒期間には会えないと考えて。
「……っ」
指折り数えてしまいそうになって、慌ててぎゅっと両手を握る。
考えたくない。あと何度か、なんて、そんなこと。
疎らに人の行き交う廊下の真ん中で、ひとり緩く首を振る。
ふらり、とまるで標をなくしてさまようように、教室へと向かう。
教室に行きたかったのではなくて。
わたるのいる場所へ行きたかった。