PRISM « Contract marriage 番外編»
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「ねぇ、匡。お母さんにホントのこと、教えてくれる?」


その、翌日。。

兄の紘一の誕生日ケーキを作っていた沙也加と匡…


ケーキのデコレーションをしていた手を止めた匡は、沙也加の方に視線を向ける…

「学校のテスト…。分かっているのに…わざと間違いの答えを書いてるって…。
どつして?」

沙也加は、紘一が匡に聞いてみる…と、言われてはいたが…

8歳の男の子が、自分の考えで…そういうことをするとは考えつかなかった…

誰かが、そうさせている…としか…

「なんのこと…っ?」

「…昨日、学校の先生から…匡が、テストの答案用紙にわざと違う答えを書いてるって」

匡は、沙也加の視線から逃れるように…視線を逸らした…

「なに、言ってるの? 見直したら…違ってる気がしたから書き直しただけだよ?」

沙也加は、匡の視線に合わせ…両肩を掴んだ…

その瞳をまっすぐに見つめ…

「同じ問題…、宿題の提出物にあったって。宿題は出来てたって…
お母さんには、ホントのこと、話して…っ!」

「…お母さん…っ。」

もぅ…、誤魔化すことはできない…と、悟った…

これ以上、沙也加に心配させたくない…という思いがあった…


「お兄ちゃんが…、その方が…お母さんが心配するだろう…って…」

自分のことを、心底、心配してくれている沙也加に、これ以上、嘘をつきたくなかった…

「…紘一がっ!
どうして、そんなこと…っ」

その言葉の途中で、思い出した…

いつだったか…、匡が母親は、自分ではない…と、言った時のことを…

「…まさか…っ」

その思いが…、事実かのように思えてきた…
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