PRISM « Contract marriage 番外編»
その次の瞬間…

紘一の頬に、沙也加の平手が飛んできた…

「紘一っ! このことは、お父さんにも報告します」

その、沙也加の言葉に…、紘一は沙也加を睨みつける…

「勝手にしろよっ!
お母さんは、俺のこと、必要じゃないんだよな!
匡がいれば…、それでいいんだろ?」

そぅ、いい…踵を返し…屋敷の玄関まで向かって行った…

「…紘一! 待ちなさい…!」

あとから、沙也加が追いかけてきた…



そして…。。

永遠に忘れられない…12歳の誕生日だった…


2人の母親の沙也加が、紘一を庇い…車に轢かれ…他界した…────


2人の心に、永遠に遺る傷跡として。。
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