PRISM « Contract marriage 番外編»
店を出た直後…に、携帯が鳴り、その表示された名前に、はぁ…っと、ため息をついた…

《椎堂 紘一》と、表示された名前…


「はい」


と、無機質に答え…

『終わったか?』

と、名乗らず…に、開口一番…自分の指令についての話を始める…

「はい、終わりました」

『あ、そう。悪かったな。』

と、無感情な電話の奥の声に…、内心、そんな気持ち微塵もないくせに…と、悪態をつきそうになった。

そのあとに、『持ち帰っても良かったけど…』と、冗談なのか? 本気なのか?…分からないようなことを言い出していた…

その言葉に、鼻先で笑い…

そんなこと、しようものなら…。。あの兄のことだ…逆鱗に触れる…に、決まっている…

「もう少し、貞操観念のある女と付き合ってくださいよ…」

その匡の言葉に、電話の奥の紘一は、笑い声を上げていた…


早々に、電話を切った匡…

紘一の別れ話に、引きずり込まれるのは、これで何度目なのか?

まぁ、自分に危害や威圧的な態度を取られるよりは、まだよくなった方がだ…と、思い直そうとしていた。


兄に、逆らうことができない自分は、いつまで…演じ続けなければいけないのか…っ?
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