PRISM « Contract marriage 番外編»
「今日は、どうする? 泊まる?」

その、彩乃の問いかけに、紘一は一瞬間を置いた…が。。

「いゃ、今日は帰るよ…」

「そっ! じゃ、奥さまによろしく。少しは、優しくしなさいよね?」

「なに、言ってんだか?」

と、言い残し…彩乃の唇に口付けし、そのBARを後にした…


その足で、再び…椎堂家へと向かっていた…。彩乃の言葉通り…自分の伴侶となる悠夏に興味を持ち始めていた…


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「…っん…! ヤだ…紘一さん、こんなカッコ…」

と。。

その日、悠夏は、紘一と付き合っていた女性にナイフを突きつけられ…襲われた…

彩乃は、そんな陳腐なことをするはずはない…誰が行ったか?…は、予想はついていた。

…が、紘一には、そんなこと、とうに興味はなかった…


それよりも…、目の前で衣類1つ身につけていない姿で、胸元を隠そうとする悠夏の方に興味が湧いていた…

「恥ずかしいなら、俺にしがみついて。力抜いて…」

「……紘一さん…、私、心臓の音、すごくて…死んじゃいそう…」

涙を溜めた…潤んだ瞳に…、この気持ちはなんというモノなのか? 言葉も見当たらなかった…

紘一は、笑いかけながら…悠夏の髪を撫で…悠夏の頬にキスをし、吹き出してみせた…

「大丈夫。こんなことで死ぬような…そんなこと、ないから…」

素直に、自分の背に手を回す…目の前の、この女に…雨のように口付けを降らせていく…

「…っあ! いた…っ!」


痛みに悶え…、顔を歪ませる…

「悠夏…」

潤んだ瞳で、口付けをせがむ…

その目の前の女に、惹かれ始めている自分がいたことに、紘一はまだ気づいていなかった…


その、寝室のドアが…紘一の故意で空いていた…

戸締りの見回り…をしていた匡は、寝室の中から聞こえる悠夏の声に…足を止めた…

その声に、動悸が早まった…

「……っ」

彼女を抱いているのが…自分であったら…と。。


この気持ちは、なんというのか…────?


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