PRISM « Contract marriage 番外編»
そこには、《紘一くんへ お誕生日おめでとう!》という文字と、その日の日付け…
と、ひらがなで《みさき はるか》と。。
「…これは…っ?」
《あの日…、
母さんが、亡くなった…あの日。。
紘一さんと、彼女は、会っていた…?
あの日の事故から…、ずっと…────》
紘一の、悠夏への想いを、つきつけられたかのような感覚がした…
やはり、超えることが出来ない…
紘一の母親が亡くなった…あの日…
兄の紘一は、12歳だった…その時の悠夏が4歳くらいなら、出会っていても…何もおかしくはない…
匡は、その絵本を元通りに、本棚に戻した…
その隣りにあった…紘一のアルバムを取り出した…
そこには、紘一の誕生日に家族で撮った写真が貼られて…
いつからか、家族で写真など撮らなくなっていたのか…?
そこには、幼い頃の自分と紘一と…、母親の沙也加が映し出されていた…
やはり…、兄の紘一は、育ての母親の沙也加に似ている…
常に…、ヒカリの粒を周りに撒き散らし…、周りを暖かく見守るような…
そんな人だった…────
「……っ」
《俺にとっての…
ヒカリは、あの人…だった…》
紘一が、危篤状態になったのは…、それから…ひと月後だった…
酸素マスクをつけ…、心電計のモニターや点滴などがつけられていた…
「…匡…、お前…、ホントに泣いてばかりだな…」
と、仕事帰りに立ち寄った匡は、紘一の友人で医師の笹原から、今日・明日が峠だと言われた…
匡は、息も絶え絶え…に、そぅ言う…紘一の手を握り締めていた…
「…アンタが、泣かせんだよ…」
匡の言葉に、やっと笑いかけ…
「約束を…、悠夏と子どもと…幸せに…」
「…分かってる…。」
いつも…、否定的なことを言っていた匡の口から、その言葉を聴いた紘一は、安心したように…匡に笑いかけ…
「あぁ…、もう少し…生きたかった…。
生まれてくる子どもの行く末を見たかった…」
それが、最期の願いだったはずだ…
「あとは、頼むな…」
匡は、頷き返すのが…、やっとだった…
その、翌日…紘一は、悠夏や家族に見守られ…この世を去った…
と、ひらがなで《みさき はるか》と。。
「…これは…っ?」
《あの日…、
母さんが、亡くなった…あの日。。
紘一さんと、彼女は、会っていた…?
あの日の事故から…、ずっと…────》
紘一の、悠夏への想いを、つきつけられたかのような感覚がした…
やはり、超えることが出来ない…
紘一の母親が亡くなった…あの日…
兄の紘一は、12歳だった…その時の悠夏が4歳くらいなら、出会っていても…何もおかしくはない…
匡は、その絵本を元通りに、本棚に戻した…
その隣りにあった…紘一のアルバムを取り出した…
そこには、紘一の誕生日に家族で撮った写真が貼られて…
いつからか、家族で写真など撮らなくなっていたのか…?
そこには、幼い頃の自分と紘一と…、母親の沙也加が映し出されていた…
やはり…、兄の紘一は、育ての母親の沙也加に似ている…
常に…、ヒカリの粒を周りに撒き散らし…、周りを暖かく見守るような…
そんな人だった…────
「……っ」
《俺にとっての…
ヒカリは、あの人…だった…》
紘一が、危篤状態になったのは…、それから…ひと月後だった…
酸素マスクをつけ…、心電計のモニターや点滴などがつけられていた…
「…匡…、お前…、ホントに泣いてばかりだな…」
と、仕事帰りに立ち寄った匡は、紘一の友人で医師の笹原から、今日・明日が峠だと言われた…
匡は、息も絶え絶え…に、そぅ言う…紘一の手を握り締めていた…
「…アンタが、泣かせんだよ…」
匡の言葉に、やっと笑いかけ…
「約束を…、悠夏と子どもと…幸せに…」
「…分かってる…。」
いつも…、否定的なことを言っていた匡の口から、その言葉を聴いた紘一は、安心したように…匡に笑いかけ…
「あぁ…、もう少し…生きたかった…。
生まれてくる子どもの行く末を見たかった…」
それが、最期の願いだったはずだ…
「あとは、頼むな…」
匡は、頷き返すのが…、やっとだった…
その、翌日…紘一は、悠夏や家族に見守られ…この世を去った…