PRISM « Contract marriage 番外編»
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「紘季…、また…こんな所にいた…」
書斎室を覗き込んだ匡は、絨毯の上に座り込み…、本を眺めている男の子を見つけた…
紘一の死から…、4年後…
悠夏と匡は、昨年、入籍をしたばかり…
紘一と籍が入っていた悠夏は、匡と再婚という形に思い悩んでいたが…紘一との遺児の紘季や周りの説得もあり、承諾した…
「パバっ! 本がたくさんある!」
その、小さな男の子は、匡を見るなり…満面の笑顔でそう言った…
紘季は、小さな頃から傍にいる匡を、自分の父親だと信じて疑わない…
紘一は、悠夏に宛てた手紙で、《子どもは、匡との子…》と、言っていたが…それも事実か…は、不明だった…
ただ、日を追うごとに…紘季は、紘一に似てきている…顔立ちや仕草をとっても…
もしかしたら…、という思惑が、2人には拭えないが…そんなこと、どうでもよかった…
いつか…、話す時が来たら…、その時に話せばいい…
「ママが探してたよ…。」
匡は、紘季の頭を撫でながら…言った…
「ママは、柚葉の方が大事だもん。僕のことより、大切なんだよ」
と、そのひと言ひと言…に、昔の記憶が思い出される…
あの日…
紘一の母親が亡くなった…あの日。。
紘一は、沙也加と口論し、そう言っていたのだ…
匡は、そのことを思い出し…その頃の紘一の心中を察することが出来るようになっていた…
悠夏は、今年…匡との娘を出産した…その女の子が3ヶ月になっていた…
「そんなことないよ。柚葉はまだ小さいから…、誰かが守らないといけないんだよ。紘季も、そうやって大きくなったんだから…。」
匡の言葉に、紘季は真剣な眼差しを向け、大きく頷き返した…
「僕、柚を守るからっ!」
そぅ、笑顔を向けた紘季…
「ママに、この本、読んでもらう…っ!」
と、今まで絨毯の上に広げていた本を閉じ、匡にその本の表紙を見せた…
《100万回 生きたネコ》と、書かれてあった…
本棚には、他にも本や紘季の為に購入した絵本があったにもかかわらず…紘季がその絵本を選んでいたことに…、匡は、運命に似たモノを感じ取った…
悠夏は、きっと泣いてしまうのかもしれない…
匡は、紘季を抱き上げ…悠夏と柚葉がいる部屋へと向かう…
いつか、きっと…話すかもしれない。。
君の本当の父親のことを…────
―Fin―
「紘季…、また…こんな所にいた…」
書斎室を覗き込んだ匡は、絨毯の上に座り込み…、本を眺めている男の子を見つけた…
紘一の死から…、4年後…
悠夏と匡は、昨年、入籍をしたばかり…
紘一と籍が入っていた悠夏は、匡と再婚という形に思い悩んでいたが…紘一との遺児の紘季や周りの説得もあり、承諾した…
「パバっ! 本がたくさんある!」
その、小さな男の子は、匡を見るなり…満面の笑顔でそう言った…
紘季は、小さな頃から傍にいる匡を、自分の父親だと信じて疑わない…
紘一は、悠夏に宛てた手紙で、《子どもは、匡との子…》と、言っていたが…それも事実か…は、不明だった…
ただ、日を追うごとに…紘季は、紘一に似てきている…顔立ちや仕草をとっても…
もしかしたら…、という思惑が、2人には拭えないが…そんなこと、どうでもよかった…
いつか…、話す時が来たら…、その時に話せばいい…
「ママが探してたよ…。」
匡は、紘季の頭を撫でながら…言った…
「ママは、柚葉の方が大事だもん。僕のことより、大切なんだよ」
と、そのひと言ひと言…に、昔の記憶が思い出される…
あの日…
紘一の母親が亡くなった…あの日。。
紘一は、沙也加と口論し、そう言っていたのだ…
匡は、そのことを思い出し…その頃の紘一の心中を察することが出来るようになっていた…
悠夏は、今年…匡との娘を出産した…その女の子が3ヶ月になっていた…
「そんなことないよ。柚葉はまだ小さいから…、誰かが守らないといけないんだよ。紘季も、そうやって大きくなったんだから…。」
匡の言葉に、紘季は真剣な眼差しを向け、大きく頷き返した…
「僕、柚を守るからっ!」
そぅ、笑顔を向けた紘季…
「ママに、この本、読んでもらう…っ!」
と、今まで絨毯の上に広げていた本を閉じ、匡にその本の表紙を見せた…
《100万回 生きたネコ》と、書かれてあった…
本棚には、他にも本や紘季の為に購入した絵本があったにもかかわらず…紘季がその絵本を選んでいたことに…、匡は、運命に似たモノを感じ取った…
悠夏は、きっと泣いてしまうのかもしれない…
匡は、紘季を抱き上げ…悠夏と柚葉がいる部屋へと向かう…
いつか、きっと…話すかもしれない。。
君の本当の父親のことを…────
―Fin―