PRISM « Contract marriage 番外編»
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「ねぇ、さっき…お父さんがお風呂に入ろうとしたら…
お湯じゃなく、水だったみたいだけど…
あなた達、知らない?」

と、沙也加に聞かれた…

ソファでくつろぎながら…匡に本を読んでいた紘一は、匡の肘をつつき…

「あ、ごめんなさい。僕」

と、沙也加に進言していた…

「まぁ…、間違えちゃったのかしら? お風呂は、お母さんたちがやるからいいのよ」


その、匡の間違いだと…、信じて疑わない沙也加…

紘一は、誰にも悟られないよう…笑みを浮かべていた…


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そう…、少しずつ…時間をかけ…

紘一は、匡を洗脳し…、自分には決して逆らわない…逆らわせない…主従関係を作って行った…


4年後…、紘一 11歳 匡 7歳


「お母さん。」

土曜日の昼下がり…、匡は、レース編みをしていた沙也加の傍に寄り…

「お母さんは、僕のお母さんじゃないの?」

常日頃…、紘一から自分の母親は沙也加ではない…と、聞かされていた…

紘一からは、沙也加にそのことについて話すな…と、言われていたが…好奇心には勝てなかった…


それも、紘一の計算の内だった…

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