バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
今日もいつものように電話をかける。
毎日ではないけど、割りと頻繁に依頼がかかるのだ。

紅林さんの声を聞いた日はラッキーな日。
今日も素敵な声だったなぁなんてひとりニヤける。

他の仕事をしながら大島さんが取りに来るのを待っていると、図面管理課の扉がカチャリと開いた。
私の席はカウンターに横付けされているので、来訪者の受付業務もする。

図面管理課に来る人は意外と常連さんが多く、顔を見ればすぐにわかる。
けれど今日は違った。
初めて見る人だ。

背が高くて切れ長の目にさらりと流した前髪。
上下作業着で片手にヘルメットを持っている。

現場の人が図面を借りに来たのかな?
そう思ってカウンターに立って挨拶をする。

「おはようございます。」

私の挨拶に、その人は一瞬目を細めた。
そして、彼の口から発せられた言葉。

「製作課の紅林です。先行書類を取りに来ました。」

衝撃的なことが起こりました。
まさか、まさかのご本人登場です。
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