バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
紅林さんが口を開くまで、ずいぶん時間が流れた気がした。
大きな溜め息と共に、「愚問だな」と吐き捨てるように言う紅林さん。

「俺に子供がいたら、どう思う？」

瞳の奥を射すように見られ、私はたじろぐ。
どうって、どうって、それは…。

「…わからないです。それでも好きかもしれないし、好きじゃなくなるかもしれないです。」

私の答えに紅林さんは視線を緩めると、「正直なやつ」と呟いて笑った。

「子供はいないしやり直そうとも思っていないよ。」

その言葉に、押し潰されそうになっていた胸が少し解放された気がした。
え、本当に？信じていいんだよね？

「だけど優香と結婚して離婚したということは確かな事実だから。それを受け入れるのは負担だろう？」

「…でも、そういうことがあったから今の紅林さんがいるわけで、好きな人の過去も受け入れてこそ本当に好きなんだと思います。私は紅林さんが好きです。過去を受け入れられてるかはわからないけど、好きなんです。」

思いの丈をぶつけると、紅林さんは苦笑しながらそっと涙を拭ってくれた。

「矛盾してるよ。」

「うっ…。そうなんですけど。でももっともっと紅林さんを知りたいって思うし、一緒にいたいって、そばにいたいって思います。」

優香さんのこと、受け入れられるほど大人じゃない。
まだまだいっぱい嫉妬してる。
本当に矛盾してるんだけど、仕方ないよ。
好きな気持ちに変わりはないんだから。
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