バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。

すぐに追いかけようとした。
だけどそれを優香に阻まれる。

「何だよ…。」

相手をするのも嫌なのだが優香は俺の腕を掴んではなさない。
正直、参る。

「私、心入れかえたの。もう一度あなたとやり直したいのよ。」

「だから、やり直すことはないって前から言ってるだろう？」

優香は先程とはうって変わって、懇願するようにすり寄ってくる。
離婚してもう7年は経っている。
なのにずっと優香は、俺とやり直したいと言うのだ。
頑として譲らない俺に、優香は冷たい声で聞く。

「あの子のこと好きなの？」

好きかどうか。
認めてしまったら歯止めが効かない気がして、今まで自分の気持ちをごまかしていた。
考えないようにしていた。
深みにはまればはまるほど、拒否られたときのショックが大きいからだ。
そう、離婚したときのように。

だから、もう誰も好きにはならない。
一人で生きていこうと決めていた。

それなのに心揺れるのはなぜだ。
彼女の笑顔を見るだけで心安らぎそれを自分のものにしたいという欲望が湧くのはなぜなのか。

答えはひとつ。

俺は早川可憐が好きなんだ。