エタニティ・イエロー
第四章 『二つを重ねて』




~幸いより~

 紺色のタキシードを着た新郎と、オレンジのAラインのドレスを身に纏った新婦が、お店を出ていくお客様に、キャンディーの包みを手渡しながらお見送りをする。

「サチヨ、また近いうちにご飯行こうね!」

「うん、是非また皆で集まろう!」

 五月の最終日曜日、無事に今日もレストランウェディングが終了すると、私達スタッフは片付けに取り掛かる。

 ここでの結婚式の食事会を見るのは、もう三度目。どの新郎新婦もお似合いで、きっとお互いが唯一無二の存在なんだ。


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