エタニティ・イエロー



 ひとまず篝さんは生ビールを、私はカシス系の甘いチューハイを頼むと、篝さんはメニュー表に載っている餃子の写真を、笑顔で指差す。

「ここは焼き餃子が美味しいんですよ。後ですね、エビチリと、天津飯と……」

「好き嫌いは特にないので……篝さんのオススメをお願いします」

「え、ホントですか。俺、普段結構食べるんですよ」

 ──何か、近いな……。

 カウンター席の距離は狭く、私はなるべく顔を離して話をするが、篝さんは遠慮なしに満点の笑顔をこちらに向けるばかり。



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