エタニティ・イエロー


「俺、ちょっと行ってくる」

「え? 駿?」

「先、店入ってて」

 気付けば両親に言い残し、俺は速足で店の前を離れ、二人が歩いて行った方向に、自分も続くように足を速める。

 何を、どうしたいのかは、分からない。

 それでも、いてもたってもいられずに、速足がやがて小走りになり辺りを見渡しながら走っていると、やがて、脇道の紅梅餅の店にできている列の最後尾に、いよりと篝さんの姿を見つけた。

 二人は話しているが、依然いよりは笑ってはいない。

 笑ってなどいないのに、何故あの人と一緒にいるのか。


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