エタニティ・イエロー



「分かりました、外で待ってます」

「あ、ねぇ美野田さん。ちなみにその花束は」

 俺を呼び止めた森川店長は、やはりこの花束が気になっているようで、俺は笑いながら会釈をすると扉の外に出た。

 花束なんて、一体いつぶりだろ。最後に渡したのもいよりのはずで、もうよく覚えていない。

 ……なんて記憶を遡っていると、ガチャリ扉が開かれ、普段着に着替えたいよりが中から出てきた。

 いよりの姿はもう見慣れたが、少し緊張した様子で肩を叩き、振り返った所でその白い頬を指でつつく。

「駿ちゃ……」


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