エタニティ・イエロー



 そして夕刻、昨日は遅番だったのだが、今日は早番で午後五時過ぎにお店を出ると、出た入口に篝さんが立っていた。

 携帯を弄っており、私は小声で挨拶をすると、一刻も早くその場を離れようとする。

「あ、幸さん」

 しかし、通った私の存在に気が付いたのか、篝さんに呼び止められ恐る恐る振り返ると、今日も彼は笑顔を絶やさない。

「幸さん、お疲れ様です」

「……お疲れ様です」

「どこに住んでるんですか?」


< 61 / 434 >

この作品をシェア

pagetop