エタニティ・イエロー



 え、いきなり何をプライベートなことを聞いてくるのだろうか、と不審に思い一歩後ずさっても、篝さんはこの空気に気付いていないのか、首を傾げている。

「早川電車で一時間先の所に住んでいます」

 いつも通勤に使用する早川電車は、このC街が終点で、あとは南行きしかない。

「俺はS田に住んでいるから、通勤に早川電車使うんです。よければ途中まで一緒に帰りませんか?」

 S田はここから電車で数分先の駅で、一応私の乗って帰る特急電車でも止まる駅の一つとなっている。

「……いい、ですけれど……」

「良かった」


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