エタニティ・イエロー



 嫌だと思っても断れず、どうして篝さんは私を呼び止めたのか分からない。偶然会ったのか、それとも待ち伏せされていたら怖いな……。

「改札でぶつかったから、幸さんも電車乗るのかなって、思ってでした」

「……そうだったんですね」

「それに、松本さんに俺達一緒の歳だって聞いたから、親しみが沸いて」

「……そうなんですね」

 面白い返事はできずに、表情硬く、不慣れに篝さんの隣を歩く。

 男の人と肩を並べるのは久しぶりで、歩を進める足は緊張でガチガチだ。

 私に……正直、関わらないほしい。そっとしておいてほしい。



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