エタニティ・イエロー



 駿ちゃんは喧嘩になるとだんまりになって、いつも何も言わない。私がどんなに思っていることを言っても無視。

 ただ言われた一言は、同僚の奥さんは快く送り出すのに、どうして私はそれができないのか……。

 私だって、駿ちゃんのことを信頼して、見送りたい。

 でも、それができないのだ。

 どうしても高校の時のトラウマが拭えず、ずっと心の奥底に根付いて、私を離さない。

「欠陥品で、ごめんなさい……」

 泣きながら謝ることでさえスルーされ、駿ちゃんはカーペットに寝転んで、こちらに背を向けたまま。


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