夜のしめやかな願い
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自分の中で渦巻く風の正体が、ずっとわからずにいた。
起因はわかっているのに、目を逸らし続けて、結局、自分自身が耐え切れなくなって、こうやって戻ってきた。
それとなく、さゆりの周囲を探って。
今はあの男が、さゆりに心を砕いて世話をしているのだから、自分は用無しだと解っている。
でも、もしかしたら、あの男がさゆりを傷つけるかもしれないから、注意は怠らない。
そういえば聞こえがいいが、所詮ストーカーだ。
自嘲を浮かべる。
まあとっくに犯罪者なのだから、もう一つ罪状が加わってもたいしたことない。
最初は、殺人。
次は脅迫。
売春に強請。
自分で疲れているんだなと思う。
負のことばかり考えて、自分を追い詰める時は、疲れている時だ。