夜のしめやかな願い
「オミが隣ってことだよね?」
食いつき気味に畳みかけると、口の端で笑われた。
「いつか、な」
静かな声で諭すように、もう一度言った。
そして視線は宗忠の方へと移っていった。
宗臣の中でまだ色々と整理がつかないのだろう。
私の首を絞めたこととか。
気にしていないことを言外にも態度にも、機会があった時に現わしているのに。
さゆりは笑った。
まあ、自分だって今更に気が付いたのだから、人のことは言えない。