夜のしめやかな願い
7.
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今日は内藤病院で演奏アルバイトの日だった。
病院がやっている音楽療法の一環で招かれた。
会場の中庭では、数年前の宗忠の結婚式と同じ、突き抜けるような青い空が頭上で広がっており、老人から子供まで、
幅広い年齢層の入院患者の前で演奏を終えると、さゆりは庭の片隅に立っていた院長の宗忠に寄った。
二人で並んで立ちながら、入院患者たちが引き上げていくのを眺める。
時々、声をかけられるのに、挨拶をかわす。
宗忠も、にこやかで優しく患者たちに声をかけている。
「ありがと、今日も」
誰もいなくなると、宗忠が礼を言った。