夜のしめやかな願い
4.
*
「相変わらずだね」
言われた宗臣は胡散臭そうに末弟の宗忠を見た。
「そっくりそのままお前に返す」
なぜかもう一人の弟である宗雅が宗忠に返した。
「えー、そうかな」
「日替わりメニューはやめろって教えただろ」
「時々だよ。
時々。
普段は大体、顔ぶれは落ち着いているから」
宗忠はぶつぶつと言ってグラスに口を付けた。
兄弟3人は、いつも通り何となく集まり、何となく飲んでいた。
肴は互いの女性関係だ。
「時々ってな、5人いたら日替わりメニューと同じだろ」
「5人はやめたよー。
兄さんたちがうるさいから」
「じゃ、何人だよ」
宗忠は指を4本たてた。