夜のしめやかな願い
宗臣はあきれたように一瞥し、宗雅は鼻先で笑った。
「いいか、せめて、ひと月2人に絞り、月ごとに新しく入れ替えろ」
宗雅が真剣な顔で諭す。
宗臣はため息をついた。
「同じ穴のむじなだな」
「いやいや兄さんもそうじゃないか」
嫌そうな一瞥をくれてやる。
「さゆさゆに手を出したのに、後、二人いるじゃない」
いつもの宗忠の軽い口調だが、目が真剣だ。
でもその色は嫉妬ではない。
単なる幼馴染への心配だ。
これが嫉妬だったら、もっと物事は簡単なのに。
宗臣はままならない世の中だと、ため息をついた。