夜のしめやかな願い

お子ちゃま~、と宗雅が低く呟く。

「で、どうして手を出したの?」

宗忠の背を見送って、宗雅は兄に視線を移して、静かに宗忠と同じ質問をした。

一拍おいて宗臣がすっと視線を外す。

考えすぎて、ひねくれてるよな。

宗雅は言葉には出さないで思い、薄く笑いながらグラスの中身ををゆっくりと飲んだ。
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