夜のしめやかな願い
オミがここにくるのは、金貸してやってんだから、ちゃんと勉強しているんだろうなっていう確認。
そして私に貸したお金が利息を生むことがないから、その代わりにさせるってことだ。
その寝ている誰かとは、さゆりとの義務的みたいな雰囲気じゃなくて、トロトロでグズグズな体に官能的な夜を過ごせ
るんだろう。
なら、私に手を出さなくてもよくない?
「っつ」
さゆりは後頭部を手で押さえた。
じろりと宗臣が見下ろす。
オレンジの鉛筆にすんなりとした指が絡まっていた。
それでさゆりの頭を叩いたのだ。